妄々録拾穂抄

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"アニマシー”ということば

最近"アニマシー"という言葉を見かけた。

知らない言葉だったので調べてみたら元は言語学の概念らしい。有生性、動物性、生物性などと訳すことができるこの言葉は、名詞や代名詞が示す対象が生きていると感じることができる度合いに関係している。

単純で簡単な例で言うと「いる」と「ある」の使い分けの違いを挙げることができる。日本語ではアニマシーの度合いの高い対象にたいして「いる」、逆に低い対象に対しては「ある」を使うことが多い。

例えば"猫が「いる」"と"スマホが「ある」"を比較してみれば、もしこの「いる」と「ある」が反対の場合を考えたときにその表現の違和感に気がつくと思う。この使い分けに普段私たちが自然と了解しているアニマシーの高低が関わっていると考えられる。

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またアニマシーは認知心理学の分野に派生して、なぜ私たちは無生物が生物的な動きをすることによって生きているかのように感じてしまうかという「アニマシー知覚」の問題を投げかけてくる。

ただ物が振動して動いているのとまるで喜んでいるように飛び跳ねているときの印象の違いはなんなのだろう。「まるで喜んでいるように」と意思があるように感じるのはなぜだろうか。生物らしさを感じることの知覚の問題はとても興味深い。

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