妄々録拾穂抄

MowMowしている

誰かの「はじめまして」や「自己紹介」を読む妖怪

たまにブログタグで「自己紹介」とか「はじめまして」を検索して新しくブログを始めた人のエントリーを読んだりする。

新しくブログを立ち上げた人たちはよく自己紹介を書いているのだが、これはどこかで指南されているなんかのブログ作法に則ったものだろうか*1。自分はネットで明確に自己を開示する文化の下に身を置いたことがないので普通に目新しい。

人は多様な形で自己規定をしてみせる。出身地、スペック、年齢、職業、趣味……などなど。ブログの目的もさまざまだ。表現、趣味の記録、生活の発信、自己のブランディング。基本的にはネタ元としては自分自身のことが一番使いやすい。コンテンツ力としては工夫が必要だが自分の切り売りはやりやすい。

でもあるブログは自己紹介だけで終わり、他のブログは2,3の記事を重ねて途絶している。「ゆるくやります」と言ったものの積極的な気持ちがないと何も書けないので、その後が続かない苦しさと継続の困難さも実感する。自分の切り売りも長くは続けられない。

1年後の継続率なんかはよく引き合いに出されるが10%~30%とか*2幅はあっても半数以上がブログを書くことをやめていってしまっているのは確かだ。瞬発力勝負の短文ネタひとつで投稿してしまえるインスタやついったーとは違ってモチベーションや労力の投下が続かないもんね。

自己表現や承認欲求、経済的な利益を夢見てブログをやりはじめると決めて、いろいろ立ち上げ方を検索し、体裁を整えて希望とともに最初の記事を書き終えたときは喜びとやる気に満ちていたんだろうなと想像は難くない。わかるよ。でもそこがピークだったりするよね。あゝ、人間って。

そんな誰かが思いつきや前のめりな意気込みではじめたブログたちの死屍累々の上に私たちは立っている。なんていう評論めいたことはしない。

いや単純にいろんな人々のプロフィールを読むのが好きだ。

いろんな年代、居住地、仕事、バックグラウンドその他、「私はこんな人」と書かれているものを読むことで人間の多彩さを実感することできる。キラキラした高校生とか大学生だと最高*3。好きなものとかつらつら経歴を書き連ねてるのを見るとけっこう読んじゃう。ブログを始めたばかりの人の初々しさからしか得られないなにかがあるんだよ。

ただ、おもしろそうな人だと思ってもやっぱり自己紹介エントリーだけで終わっていることがよくあるのでそこは残念。一発目に注力しすぎて力尽きたか南無南無である。どんなことを書いていくんだろうという期待を持ってしまうだけに、そこをなんとか頑張って書き続けてくれればいいのにな、と思っている。

*1:逆に自分は最初からあたりまえのようにそこにいるようなスタイルで始めて存在していたい。

*2:検索すればいろいろ出てくると思うが、2009年の総務省の調査では一年後の継続率は10%。

*3:危ない人じゃないです、だいじょぶです。