妄々録拾穂抄

MowMowしている

大将、はめられて刑務所に入れられたスタローンが刑務所長に陰湿に付け狙われる映画ある?

あるよ!

「ロックアップ」(1989)と「大脱出」(2013)お好みでどっちか選んでくれよな。

出所を半年後に控えた模範囚フランクはある夜突然、最悪と呼び声高いゲートウェイ刑務所への移送が決定される。それはかつて別の刑務所で脱獄したフランクを逆恨みする刑務所所長ドラムグールの仕業であり、悪徳看守や凶悪な囚人たちを手先に使ってフランクへの復讐を行なうためであった。所長の指示で陰湿な嫌がらせや不当な懲罰、度重なる挑発が続くなか、それでもフランクは他の囚人たちとの協力関係や友情を築いていく。しかし彼の帰りを待つ恋人メリッサに危害が及ぶことを予告され決死の脱獄を決意したフランクは、ついに所長への怒りを爆発させる。

改めて意味を調べてみてロックアップって拘置所や刑務所の意味で使われるんだな、勉強になった。

耐えに耐える男スタローン。恩人を守るための過剰防衛で投獄され、家族のために已む無く脱獄した過去を持つ模範囚。決して凶悪な囚人ではない。そのときの因縁のためにドラムグールに執拗に付け狙われる不運の男。

敵役の刑務所長に悪い顔させたら最高のドナルド・サザーランドを迎え、息のかかった悪徳看守たちや囚人たちに不当な扱いを受け続ける姿は本当に痛々しい。だが悪人ばかりじゃない。根性を認めて仲間に迎えてくれる囚人、所長一派とは距離を置く規律の鬼の黒人看守長。一目置かれるようになった中で決して所長に屈しない意志を強くしていく。そしてランボーシリーズやロッキーシリーズを続けてきてノりにノッた80年代のスタローンの筋肉。

既定路線だからネタバレにならないと思うが、最終的に今までの怒りを爆発させ所長との直接対決をし自由を勝ち取るラストはこれまでの忍耐シーンを見続けてきたせいもあってスッキリすること請け合い。最後に送り出してくれる看守長のシーンも最高。

自ら収監された上で刑務所の盲点を付いて脱獄する有名なセキュリティコンサルタントのレイ・ブレスリン。CIAから依頼で絶対に脱出不可能とされる非合法の監獄の検証を引き受ける。今まで見たことがない造りの監獄に閉じ込められ、厳重な監視体制に危険を感じたレイは計画中止のサインを刑務所長のホブスに伝えるが、彼には知らないとあしらわれる。そこでついにレイは依頼が嘘であり、騙され投獄されたことを知る。それでもなんとか脱獄しようと観察を続ける彼に近づくロットマイヤーという男。互いが脱獄の意思を持っていることを確認した2人は協力してこの厳重警備の刑務所から脱出を模索していく。

スタローンとシュワルツェネッガーのダブル主演ですね、原題も「ESCAPE PLAN」なのでもう直接的に大脱出と銘打って大暴れ。

刑務所長にはこれも悪役顔をやらせたら似合ってしまうジム・カヴィーゼルを配役。なにやら訳知りでスタローンを執拗にマークして脱獄の機会を与えないようにしていく。対立する囚人グループに中東系の配役を据えるのは時代だろうか。刑務所内の確執、友情、正義とかいうよりは完全にシステムからの脱出を意識したアクション映画になっている。相変わらず懲罰に耐える男スタローン。

自分をはめて刑務所に送り込んだ黒幕は誰なのか、本当にシュワルツェネッガーは味方なのか、難攻不落の刑務所から2人はどうやって脱出するか、最後に待つお約束の刑務所長との対決。ひとつまみの良心の診療所の医師役サム・ニールに協力を仰ぎ、タイトル通り大脱出の大博打に打って出る2人を待つのは果たして。往年のキレが無くなってきててもこの2人が大暴れしてればそれでいいよね感。

ちなみにシリーズ化して2018年と2019年に続編が公開されている。